中小企業のWeb集客外注はなぜ失敗するのか?48件の実態調査で見えた共通点

中小企業のWeb集客外注はなぜ失敗するのか?48件の実態調査で見えた共通点

本調査(有効回答48件)から、中小企業・個人事業主のWeb集客外注において、「まったく成果が出なかった」という極端な失敗だけでなく、「一定の成果はあったが、納得できない結果に終わった」ケースが一定数存在することが分かりました。

つまり、多くの事業者が「失敗した」と感じている背景には、成果の有無そのものではなく、費用対効果や説明内容に対する“納得感の欠如”が存在しています。

【結論|48件調査で見えた「外注失敗」の共通点】

● 失敗の多くは「成果ゼロ」ではなく「納得できない結果」
(Q4:「成果が出たとは言えない」39.6%+「一定の成果は出た」35.4% ※“一定の成果=十分に満足できた”とは限らない)

● 不満の中心は費用対効果だが、同時に「説明不足・見えない運用」も失敗認識を強める
(Q5:費用に見合う成果が出なかった52.1%/専門用語が多く理解できなかった16.7%/何をしているのか分からなかった12.5%)

● 失敗後は乗り換えよりも「自力化・不信」に振れやすく、次の挑戦を止める
(Q8:別業者に依頼し直した2.1%)

注目すべき点は、こうした失敗の多くが、外注先の技術力やスキル不足だけで説明できないことです。

調査結果を詳細に見ていくと、問題の本質は「何を目的に、何を成果とし、どこまでを外注に期待するのか」という目標設計が曖昧なまま契約が進んでいたこと、そしてその設計が十分に説明・共有されていなかったことに集約されていきます。

さらに深刻なのは、Web集客外注での失敗体験が、その後の意思決定に与える影響です。

本調査では、失敗後に「別の業者に依頼し直した」と回答した人はごく少数にとどまり、多くの事業者が、
「自分でやろうと思うようになった」
「Web集客そのものに不信感を持った」と回答しています。

これは、外注の見直しや改善よりも、Web集客という選択肢そのものから距離を置いてしまう傾向が強いことを示しています。

本記事では、こうした実態を感覚論ではなく、48件の一次調査データをもとに、
● どのような立場・規模の事業者が
● どの施策を外注し
● どこで「失敗した」と感じているのか
を一つずつ丁寧に見ていきます。

Web集客の外注を検討している方、あるいは過去に「うまくいかなかった」と感じた経験がある方にとって、次に同じ失敗を繰り返さないための判断材料となることを目的とした調査レポートです。

調査概要

本調査は、中小・零細企業、店舗オーナー、個人事業主を対象に、Web集客を外注したものの「思うような成果が出なかった」と感じた経験について、その実態を把握することを目的として実施しました。

Web集客における失敗は、「成果がゼロだったかどうか」だけで判断されがちですが、実際の現場では費用対効果への不満や説明不足による納得感の欠如など、より複合的な要因が絡み合っています。

本調査では、そうした“感覚的な失敗”の背景を可視化するため、成果評価だけでなく、外注内容、費用感、失敗後の心理変化までを含めて設問を設計しました。

調査の概要は以下のとおりです。

● 調査名:Web集客外注で「思うような成果が出なかった」経験に関する調査
● 調査対象:中小・零細企業、店舗オーナー、個人事業主等(回答者自己申告)
● 有効回答数:48件
● 回答形式:選択式(複数選択を含む)

なお、本記事内で掲載している複数選択設問の割合(%)は、「有効回答48件のうち、各選択肢を選んだ人数の割合(回答者比)」として算出しています。

そのため、各設問の合計が100%を超える場合がある点について、あらかじめご了承ください。

本調査は全国代表性を目的としたものではありませんが、外注で成果未達と感じた層の実感を捉える一次情報として、実務的な示唆を得られる内容です。

【本調査の位置づけ(解釈上の注意)】
本調査は回答者の自己申告に基づくものであり、サンプル数は48件です。全国の中小企業全体を統計的に代表することを目的とした調査ではありません。
ただし、Web集客外注で「思うような成果が出なかった」と感じた層の“実感”を定量化した一次情報として、現場で起きやすい失敗構造を把握するうえで有用だと考えています。

Q1. あなたの立場を教えてください (単一選択)

中小企業・個人事業主を対象としたWeb集客外注失敗調査(48件)における回答者の立場の内訳

まず、回答者の立場について整理します。
本調査では、Web集客の外注を実際に判断・関与している立場の回答者が中心となっています。

回答件数割合(%)
個人事業主2654.2
会社員 (決裁権あり)1122.9
中小・零細企業の経営者・代表510.4
その他48.3
店舗オーナー24.2

最多は「個人事業主」で、全体の54.2%を占めています。
次いで「会社員(決裁権あり)」が22.9%となっており、意思決定に直接関わる立場の回答が大半であることが分かります。

この結果から、本調査がマーケティング部門を持つ企業や大規模組織ではなく、現場で事業を回しながらWeb集客の外注判断を行っている中小・零細層の実態を反映していることが読み取れます。

Q2. あなたの会社・事業の規模を教えてください (単一選択)

Web集客外注で成果が出なかった中小企業・個人事業主の事業規模(従業員数)の分布【48件調査】

次に、回答者の事業規模について整理します。

本調査では、従業員数が少ない事業者が中心となっており、Web集客外注における失敗が「小規模事業者の現実的な課題」であることが明確に表れています。

回答件数割合(%)
従業員1〜5名2960.4
11〜30名816.7
31〜50名816.7
6〜10名36.3

最も多いのは「従業員1〜5名」で、全体の60.4%を占めています。
従業員10名以下に限ると約66.7%となり、零細〜小規模事業者が大半であることが分かります。

この規模感は、前設問(Q1)で多かった「個人事業主」「決裁権を持つ会社員」とも整合的です。

専任のマーケティング担当者やWeb担当部署を置く余裕がなく、限られた時間と予算の中で外注判断を行っている層が中心であることが読み取れます。

Q3. 過去3年以内に外注したWeb集客施策を教えてください (複数選択)

中小企業が過去3年以内に外注したWeb集客施策の内訳(広告・制作・SEOなど)【成果未達48件調査】

続いて、回答者が過去3年以内に外注したWeb集客施策の内訳を確認します。

本調査では、いわゆる“王道”とされるWeb集客施策が中心となっていることが分かりました。

選択肢選択数回答者比(%)
Web広告 (Google広告・SNS広告など)2347.9
ホームページ制作・リニューアル2245.8
SEO対策 (記事制作含む)1837.5
MEO/Googleマップ対策48.3

最も多かったのは「Web広告(Google広告・SNS広告など)」で47.9%。
次いで「ホームページ制作・リニューアル」が45.8%、「SEO対策」が37.5%と続きます。

一方で、近年注目されることの多い「MEO(Googleマップ対策)」は8.3%にとどまっており、Web集客外注の中心は依然として広告・制作・SEOであることが分かります。

重要なのは、この結果が「特殊な施策を外注したから失敗した」のではなく、多くの中小企業が一般的・定番とされる施策を選択したうえで、なお“うまくいかなかった”と感じている点です。

つまり、失敗の要因は
● 特定の施策そのもの
● 流行や手法の選択ミス
だけに帰結するものではなく、どの施策を選んだか以上に、「どのような期待で、どのように外注したか」にある可能性が高いことが示唆されます。

MEOは外注比率が低い一方で、店舗型ビジネスでは成果に直結しやすい領域でもあります。
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Q4. その外注施策の結果について、最も近いものを選んでください (単一選択)

Web集客外注の成果に対する中小企業の評価結果(納得できない・成果が出なかった等)【48件実態調査】

次に、外注したWeb集客施策の成果に対する評価を確認します。

ここは、本調査における「失敗」の捉え方を理解するうえで、非常に重要な設問です。

回答件数割合(%)
成果が出たとは言えない1939.6
一定の成果は出た1735.4
ほとんど成果が出なかった918.8
明確な成果が出て成功だった36.3

最も多かったのは「成果が出たとは言えない」で39.6%、次いで「一定の成果は出た」が35.4%と続きます。

注目すべき点は、「ほとんど成果が出なかった」「完全に成功だった」といった極端な評価が少数派であることです。

実際には、「多少の成果はあったが、満足できる水準ではなかった」と感じている事業者が非常に多い構造になっています。

この結果から分かるのは、中小企業におけるWeb集客外注の失敗が、単純に「成果ゼロ」「全く意味がなかった」というケースだけで構成されているわけではない、という点です。

むしろ多くの場合、
● 費用に対して見合う成果だったのか
● 事前に期待していた水準と合っていたのか
● 成果の評価基準が明確だったのか
といった“納得感”の欠如が、「失敗した」という判断につながっています。

このように失敗の定義を「成果が全く出なかったこと」ではなく、「費用対効果や説明内容に納得できなかったこと」と捉え直すことで、次に見る設問、

「なぜそう感じたのか」
「どこに不満が集中しているのか」

が、より立体的に理解できるようになります。

Q5. 外注施策について、当てはまるものをすべて選んでください (複数選択)

Web集客外注で成果が出なかった理由・不満点の内訳(費用対効果・売上未達など)【中小企業48件調査】

次に、Web集客外注に対してどのような不満や違和感を抱いたのかを確認します。

この設問は、「成果が出なかった理由」を最も直接的に示すものであり、本調査の中でも特に重要なパートです。

選択肢選択数回答者比(%)
費用に見合う成果が出なかった2552.1
問い合わせ・売上につながらなかった1633.3
担当者とのコミュニケーションが取りづらかった918.8
専門用語が多く、説明が理解できなかった816.7
改善提案がほとんどなかった714.6
何をしているのか分からなかった612.5
特に不満はなかった612.5
契約内容・成果条件が分かりづらかった510.4

最も多かった回答は「費用に見合う成果が出なかった」で、52.1%と過半数を占めています。

次いで「問い合わせ・売上につながらなかった」が33.3%となっており、多くの事業者が“結果そのもの”に対する不満を強く感じていたことが分かります。

一方で、注目すべきなのはそれ以外の項目です。

「担当者とのコミュニケーションが取りづらかった」
「専門用語が多く説明が理解できなかった」
「改善提案がほとんどなかった」
「何をしているのか分からなかった」
「契約内容・成果条件が分かりづらかった」

といった、説明・可視化・意思疎通に関する不満も、一定数確認できます。

これらは単独で見ると少数に見えますが、共通しているのは、
「外注の中身が見えない」
「判断材料が与えられていない」という点です。

つまり、成果が出なかったこと以上に、
「なぜそうなったのかが分からない」
「改善の道筋が示されなかった」ことが、失敗認識を強めている可能性が高いと考えられます。

この結果は、前設問(Q4)で見えた「一定の成果はあったが、納得できなかった」という評価とも整合的です。

成果がゼロだったからではなく、結果・プロセス・説明の三点が噛み合わなかったときに、外注は“失敗”と判断されやすい。

その構造が、この設問からはっきりと浮かび上がっています。

Q6. 外注先はどのタイプでしたか? (単一選択)

Web集客外注先のタイプ別割合(制作会社・フリーランス・広告代理店など)【中小企業48件調査】

続いて、Web集客を外注した依頼先のタイプについて確認します。

どのような業者に依頼していたのかは、前設問(Q5)で見えた不満の背景を読み解くうえで重要な視点です。

回答件数割合(%)
Web制作会社2245.8
フリーランス1122.9
広告代理店918.8
SEO専門会社48.3
覚えていない/分からない24.2

最も多かったのは「Web制作会社」で、45.8%と全体の約半数を占めています。

次いで「フリーランス」が22.9%、「広告代理店」が18.8%と続き、制作会社・個人・代理店といった、比較的一般的な選択肢に依頼が集中していることが分かります。

ここで注意すべきなのは、この結果が「特定の業態が悪い」ことを示しているわけではない点です。

むしろ多くの中小企業では、
「Web制作を依頼した延長線上で、集客も任せる」
「知人紹介や価格感を重視してフリーランスに依頼する」
といった、現実的で自然な判断が行われています。

ただし、前設問(Q5)で多く見られた
● 何をしているのか分からなかった
● 改善提案がなかった
● 契約内容や成果条件が分かりづらかった
といった不満は、制作・運用・集客の役割分担が曖昧なまま外注が進んだ場合に生じやすい傾向があります。

特にWeb制作会社の場合、本来の主業務は「サイトを作ること」であり、集客成果の最大化や継続的な改善運用は専門外であるケースも少なくありません。

その前提が共有されないまま「集客も含めて一式で依頼」してしまうと、期待と実際の提供範囲にズレが生じやすくなります。

このように、外注先のタイプそのものよりも、「どこまでを期待し、どこからが専門外なのかが明確にされていたか」が、失敗を分ける大きな要因であることが、この結果から読み取れます。

Q7. その外注施策にかかった総費用を教えてください (単一選択)

Web集客外注にかかった総費用の分布(10万円未満が半数)【中小企業・個人事業主48件調査】

次に、Web集客外注にかかった総費用について確認します。

本調査では、比較的少額の予算帯で外注が行われていたケースが多いことが分かりました。

回答件数割合(%)
10万円未満2450.0
30〜50万円1327.1
10〜30万円1122.9

「10万円未満」が50.0%と半数を占めており、10〜30万円、30〜50万円を含めても、比較的限られた予算内で外注している事業者が大半であることが分かります。

ここで重要なのは、この結果を「小予算だから失敗した」と単純に結論づけないことです。

むしろ、中小・零細企業にとって10万円前後という予算は“決して軽い投資ではない”ケースが多く、その分、期待値や成果への思いは強くなりがちです。

一方で、この費用帯では、
● 実施できる施策の範囲が限られる
● 検証や改善を重ねる十分な期間を確保しにくい
● レポートや説明が最低限に留まりやすい
といった制約が生じやすいのも事実です。

そのため、小予算での外注ほど、
「何をやるのか」
「何をやらないのか」
「どこまでを成果とするのか」

といった設計や期待値のすり合わせ、進捗の見える化が不十分なまま進行すると、結果として「費用に見合わなかった」「納得できなかった」という評価につながりやすくなります。

この設問の結果は、前設問(Q5)で多く挙がった、
「費用に見合う成果が出なかった」
「何をしているのか分からなかった」
といった不満とも整合的です。

Q8. 外注後、Web集客に対する印象として近いものを選んでください (複数選択)

Web集客外注で失敗した後の印象や行動変化(自分でやる・不信感など)【中小企業48件調査】

次に、Web集客を外注したその後の印象や行動の変化について確認します。

この設問は、外注の成否が事業者の意思決定にどのような影響を与えているのかを知るうえで、非常に重要です。

選択肢選択数回答者比(%)
自分でやろうと考えるようになった2143.8
Web集客そのものに不信感を持った1531.2
外注業者選びが怖くなった1225.0
特に変化はない1122.9
別の業者に依頼し直した12.1

最も多かったのは「自分でやろうと考えるようになった」で、43.8%にのぼります。

次いで「Web集客そのものに不信感を持った」が31.2%、「外注業者選びが怖くなった」が25.0%と続きます。

特に注目すべき点は、「別の業者に依頼し直した」と回答した人が2.1%にとどまっていることです。

多くの事業者は、外注先を変更して再挑戦するのではなく、「自分でやる」「距離を置く」「信じなくなる」といった方向に意識が向いていることが分かります。

これは、Web集客外注の失敗が、単なる施策選定のミスや業者選びの失敗にとどまらず、Web集客という手段そのものへの信頼を損なってしまう“心理的ダメージ”を伴っていることを示しています。

前設問(Q5)や(Q7)で見えた、
「何をしているのか分からなかった」
「費用に見合う成果だと思えなかった」
といった体験は、改善の余地があったとしても、その過程や理由が共有されなければ、“もう同じことは繰り返したくない”という感情につながりやすくなります。

この結果から、Web集客外注における本当の失敗とは、単に成果が出なかったことではなく、次の一手を打つ意欲そのものを削いでしまうことだと言えるでしょう。

Q9. 今後、Web集客を外注する場合に最も重視したい点は何ですか? (単一選択)

中小企業が今後Web集客を外注する際に重視したいポイント(成果目標・説明の分かりやすさ)【48件調査】

これまでの外注経験を踏まえたうえで、今後もしWeb集客を外注するとしたら、何を最も重視したいのかを確認します。

回答件数割合(%)
成果や目標が明確であること1939.6
説明が分かりやすいこと1122.9
費用・契約条件が明確であること816.7
実績・事例が確認できること816.7
担当者の対応・人柄24.2

最も多かったのは「成果や目標が明確であること」で、39.6%を占めています。

次いで「説明が分かりやすいこと」が22.9%、「費用・契約条件が明確であること」「実績・事例が確認できること」がそれぞれ16.7%となりました。

一方で、「担当者の対応・人柄」を重視すると回答した割合は4.2%と少数にとどまっています。

この結果は、Web集客外注において、「誰に頼むか」よりも「何を、どこまで、どう進めるのかが明確かどうか」が重視されていることを示しています。

ここまでの設問結果を振り返ると、
● 成果に納得できなかった(Q4)
● 費用対効果や説明に不満があった(Q5)
● 失敗後、再挑戦を避ける心理が生まれた(Q8)
という流れが見えてきました。

そのうえで事業者が次に求めているのは、派手な成功事例や相性の良さではなく、
「成果の定義が共有されていること」
「説明が理解できること」
「条件が明確であること」といった、ごく基本的で実務的な要素です。

この結果は、Web集客外注の失敗が高度なノウハウ不足ではなく、設計と合意形成の不足から生じているという、本記事全体の結論を裏付けるものだと言えるでしょう。

Q10. Web集客に継続的にかけられる月額予算 (単一選択)

中小企業・個人事業主がWeb集客に継続してかけられる月額予算の実態(数万円以内が中心)【48件調査】

最後に、Web集客に継続的にかけられる月額予算について確認します。

この設問は、前設問(Q9)で示された「重視したい条件」が、どの程度の現実的な予算感の中で語られているのかを理解するための重要な指標です。

回答件数割合(%)
5,000円〜1万円1735.4
3万円〜5万円1122.9
1万円〜3万円918.8
5,000円未満816.7
5万円〜10万円12.1
10万円以上12.1
(無回答)12.1

最も多かったのは「5,000円〜1万円」で35.4%、次いで「3万円〜5万円」が22.9%、「1万円〜3万円」が18.8%と続きます。

この結果から分かるのは、中小・零細企業や個人事業主の多くが、Web集客に月数万円以内の予算しか割けていないという現実です。

月5万円以上を継続的に投資できる事業者は、ごく少数派にとどまっています。

この予算感は、前設問(Q9)で多く挙がった、
「成果や目標が明確であること」
「説明が分かりやすいこと」
「条件が明確であること」
といった要望と、決して矛盾していません。

むしろ、限られた予算だからこそ、
● 何を目的に
● どこまでを成果とし
● その予算で「できること」と「できないこと」を明確にする
といった設計と説明が欠けた場合、事業者側は結果に納得できず、「失敗だった」と感じやすくなります。

本調査で見えてきたのは、高額な予算を投じたにもかかわらず失敗したケースよりも、限られた予算の中で期待値と現実のズレが生じ、そのズレが説明されないまま終わってしまったケースが、強い不満や不信感につながっているという構造です。

興味深い回答

ここまでの単純集計では、Web集客外注に対する不満や評価の全体像が見えてきました。

ここでは一歩踏み込み、回答者の属性と回答内容を掛け合わせることで見えてきた、特に注目すべき傾向を整理します。

いずれもサンプル数は限定的ではあるものの、中小・零細企業におけるWeb集客外注の失敗構造を考えるうえで、示唆の大きい結果です。

① 個人事業主 × 「自分でやろうと思った」

● 個人事業主:26名
● そのうち「自分でやろうと考えるようになった」:15名(57.7%)
● 全体平均:21/48(43.8%)

個人事業主では、外注後に「自分でやろうと考えるようになった」と回答した割合が57.7%と、全体平均(43.8%)を大きく上回っています。

この結果からは、個人事業主において、Web集客外注の失敗体験が別の業者を探す方向ではなく、自力で何とかしようとする方向に直結しやすい傾向が見て取れます。

個人事業主の場合、
● 相談できる社内メンバーがいない
● 外注費が個人の生活や事業継続に直結する
● 「もう一度同じ失敗はできない」という心理的負担が大きい
といった事情から、外注そのものに慎重、あるいは消極的になりやすい構造があります。

その結果、本来は伴走支援や改善余地があった可能性があっても、失敗体験が「次の挑戦」を止めてしまうケースが少なくないことが示唆されます。

② 総費用10万円未満 × 「費用に見合う成果が出なかった」

● 総費用10万円未満:24名
● そのうち「費用に見合う成果が出なかった」:14名(58.3%)
● 全体平均:25/48(52.1%)

外注にかかった総費用が10万円未満の層では、「費用に見合う成果が出なかった」と回答した割合が58.3%と、全体平均(52.1%)よりも高い結果となりました。

注目すべき点は、「小予算だから不満が出る」という単純な話ではないことです。

この費用帯は、
● 事業者側にとっては決して安い投資ではない
● 一方で、施策範囲や改善回数には明確な制限がある

という期待と現実のギャップが生じやすいゾーンでもあります。

この結果は、小予算での外注ほど、目標設定・成果の定義・期待値調整・説明の粒度が曖昧なまま進むと、
「やってもらったが、結局よく分からなかった」
「納得できなかった」

という評価につながりやすいことを示しています。

③ Web制作会社 × 「何をしているのか分からなかった」

● 外注先がWeb制作会社:22名
● そのうち「何をしているのか分からなかった」:4名(18.2%)
● 全体平均:6/48(12.5%)

外注先がWeb制作会社だったケースでは、「何をしているのか分からなかった」と感じた割合が18.2%と、全体平均(12.5%)よりやや高い結果となっています。

これは、Web制作会社そのものの問題というより、制作と集客支援が同一パッケージで提供される構造に起因する可能性があります。

Web制作会社の主業務はあくまで「サイトを作ること」であり、集客施策や改善運用は、
● どこまで対応するのか
● 何を成果とするのか
● 何は対応外なのか

が明確に整理されていないまま進行するケースも少なくありません。

その結果、事業者側から見ると、
「依頼はしているが、今何をやっているのか分からない」
「成果が出ない理由も説明されない」

といった不透明感につながりやすくなります。

この傾向は、前設問で多く挙がった、
「改善提案がなかった」
「説明が分かりづらかった」
という不満とも整合的です。

調査から逆算できる「外注失敗」の典型パターン

調査結果を俯瞰すると、外注失敗は「施策選び」よりも、契約前後の設計不備によって起きているケースが目立ちました。

ここでは、特に再現性が高かった3つの典型パターンを整理します。

パターン1:成果の定義が曖昧なまま始まる
→ 「問い合わせを増やしたい」など目的はあるが、KPIや達成ラインが曖昧なまま進み、後から評価が揺れる。

パターン2:プロセスが見えず、納得感が崩れる
→ 施策の中身・進捗・改善方針が共有されず、結果が出ないときに“何が起きているか”が分からない(Q5の不満群に該当)。

パターン3:スコープ(やること・やらないこと)が未整理
→ 制作・広告・SEOが混ざり、誰が何を担当するのかが曖昧。期待値だけが膨らみ、提供範囲との差分で不満が出る。

この3パターンは、契約前の確認だけで回避できるものも少なくありません。次に、依頼前に確認すべき質問を整理します。

依頼前に確認する質問例

外注を検討する際は、契約前に最低限、次の質問に答えられる状態にしておくと失敗確率が下がります。

  1. 今回の目的とKPIは何か?(問い合わせ数/予約数/CPA/検索順位など)
  2. 成果の測定方法は?(計測ツール、計測範囲、計測できないもの)
  3. 初月〜3か月で何をするか?(具体的な作業内容と優先順位)
  4. レポートの頻度と内容は?(数値・作業・課題・次の一手まで含むか)
  5. 改善提案はどの頻度で、誰が出すか?(月1回?隔週?)
  6. 対応範囲(スコープ)はどこまでか?(制作/広告/SEO/MEOの境界)
  7. 「やらないこと」は何か?(予算内で実施しない施策の明文化)
  8. 解約条件・契約期間・成果条件は明確か?(最低契約期間、違約金の有無など)
  9. 担当者変更時の引き継ぎはどうするか?(属人化の回避)
  10. 成果が出ない場合の次の打ち手は何か?(仮説・検証・改善プロセス)

以上を踏まえ、最後に「外注で失敗しないための最低限の確認項目」をチェックリストとして整理します。

中小企業が外注で失敗しないためのチェックリスト(データから逆算)

実際の支援現場でも、同じズレは頻繁に起きます。
たとえば、「制作=納品で終了」という前提のサービスを依頼しているのに、依頼側は「集客が回る状態まで含めて任せたつもり」になっているケースです。

また、KPIが曖昧なまま進み、途中で「結局、何を成果とするのか」が揺れてしまい、後から納得感を取り戻せなくなることも少なくありません。

本調査(48件)から見えてきたWeb集客外注の失敗は、特定の施策や業者タイプに起因するものではありませんでした。

多くのケースで共通していたのは、「成果が出なかったこと」そのものよりも、なぜその結果になったのかが説明されず、納得できないまま終わっていることです。

ここでは、調査結果をもとに、中小企業・個人事業主がWeb集客を外注する際に、最低限確認すべきポイントをチェックリストとして整理します。

▼ 外注前に確認したいチェックリスト

目的・成果指標(KPI)は事前に合意されているか
→ (例:問い合わせ数、予約数、CPA、検索順位など)

成果の定義と測定方法が明確か
→ 「何が達成されれば“成果が出た”と言えるのか」が言語化されているか

何を・いつ・どのように改善していくのか説明されているか
→ 初期施策だけでなく、結果が出なかった場合の対応方針が共有されているか

月額予算の範囲で「やること」と「やらないこと」が明確か
→ 予算内で対応できる施策範囲に過度な期待をしていないか

レポートや進捗共有が定期的に行われる設計になっているか
→ 数値・状況・課題を把握できる仕組みがあるか

施策の打ち手が「次の一手」まで示されているか
→ 改善提案の頻度や内容が事前に説明されているか

これらは、特別に高度なチェック項目ではありません。
むしろ、調査結果で多くの事業者が不満を感じていた点を、そのまま言語化したものです。

本調査では、
「費用に見合う成果が出なかった」
「何をしているのか分からなかった」
「説明が理解できなかった」
といった声が数多く見られました。

その多くは、契約時点でこのチェックリストが共有されていれば、少なくとも“失敗した”と感じる結末は避けられた可能性があります。

Web集客の外注で本当に重要なのは、「有名な施策を選ぶこと」や「安い・高い」で判断することではなく、限られた予算とリソースの中で、何を目的に、どう進め、どう評価するのかを共有することです。

本記事が、これからWeb集客の外注を検討する中小企業・個人事業主にとって、次の失敗を防ぐための判断材料となれば幸いです。

嶋津文仁

Webマーケティングの実務経験10年以上。
SHUMAN合同会社代表として、企業のSEO戦略からコンテンツ制作まで一貫して支援。
現場で得た知見をもとに、実践的で信頼性の高い情報発信を心がけています。